2010年10月19日

【菊花賞】相性の良い神戸新聞杯3着馬・ビッグウィークが波乱の菊を演出

★ポイント1「内枠」
→過去10年、馬番5番以内の馬が馬券圏内を1頭も確保できなかった年は一度もない。昨年は1-3の馬番で決まっているように菊花賞は極端に内枠有利なレースで、今年も枠順には気をつけたいところだ。
(スリーロールス、ヒシミラクルetc)

★ポイント2「京都1800m実績」
→過去10年、連対した20頭中11頭に京都での勝ち鞍があった。特に結びつきが強いのが京都1800mで、アサクサキングス、フローテーションなどがこのコースを勝って菊花賞でも好走している。
(アサクサキングス、ドリームパスポートetc)

★ポイント3「母父トニービン」
→過去10年、母父にトニービンを持つ馬の成績は【0・3・0・4】連対率42.9%。ダンスインザダーク産駒の陰に隠れているが、菊花賞に抜群の適性を誇る血統だ。
(フォゲッタブル、リンカーンetc)


内枠&ダンスインザダーク産駒での決着となった昨年の菊花賞は、近年の菊花賞における傾向を象徴したものだった。今年はダービー1,2着馬に皐月賞2着馬が出走を予定しており、春のGIホース・ヴィクトワールピサ、ダノンシャンティの不在を感じさせない豪華メンバーが揃いそうだ。

ただ、近年の菊花賞の傾向として、とにかく上位人気馬が信用できない。過去10年、1・2番人気馬の成績は【3・1・2・14】。1・2番人気がどちらも馬券圏外に敗れたレースは4回を数える。今年の1・2番人気はおそらくローズキングダムとエイシンフラッシュだと思うが、ともに過信は禁物だ。朝日杯FSを勝ったローズ、日本ダービーを勝ったエイシンには両レースを勝った馬が菊花賞で不振傾向にあるというデータもマイナスに働く。

人気馬が信用できないとなると、長距離適性という部分で夏の上がり馬・トウカイメロディが前述の2頭に肉薄する人気を集めそうだ。左回りの成績が【0・1・1・2】、右回りの成績が【5・0・0・0】とはっきりしており、父チーフベアハートは京都外回りの重賞で【2・5・4・15】複勝率44%。京都実績がない点が不安だが、長距離の経験値では2強を凌ぐものがある。

その他で注目したいのは、1000万下条件を勝ち上がった組。過去10年でスリーロールス、デルタブルースの2頭が勝利を収めており、主な勝ち鞍・1000万下という馬を含めるとマンハッタンカフェ、ヒシミラクルが勝利を収めている。今年の出走予定馬でこれに該当する馬は9頭を数えるが、中でもデルタブルースと同じ九十九里浜特別を勝ったトレイルブレイザー、ナムラクレセント、オペラシチーといった菊花賞3着馬と同じ玄海特別の勝ち馬・ビッグウィークの2頭に注目したい。

ちなみにこの世代の牡馬には「3歳以降、関西圏の重賞で1番人気馬が勝てない」という不思議なジンクスがある。1600m以上の距離で行われたレースで比較すると、関西圏での1番人気馬は6戦0勝で、関東圏での1番人気馬は12戦6勝。これを踏まえると、今年の勝ち馬は1番人気馬以外のところにいるのかもしれない。


【データで見るオススメ馬】

★ゲシュタルト
→出走馬中、京都1800m&京都2200mで連対歴があるのは出走馬中同馬のみ。3歳春の時点で芝2200mでの勝ち鞍がある馬はフォゲッタブル、アルナスライン、ヒシミラクル、ファストタテヤマなど菊花賞での好走が多く、前述の馬たちには関西圏の2200mを勝っているという共通点があった。

★トウカイメロディ
→左回りの成績が【0・1・1・2】、右回りの成績が【5・0・0・0】とはっきりしている同馬。父チーフベアハートは京都外回りの重賞で【2・5・4・15】複勝率44%。2年連続で馬券圏内に入った馬を輩出しているリアルシャダイの血を母母父に持っており、侮れない1頭だ。

★ビッグウィーク
→過去10年、神戸新聞杯3着の成績は【3・0・3・3】複勝率66.7%。近4年で勝ち馬を2頭輩出している母父サンデーサイレンスを持つ数少ない馬であり、8戦連続馬券圏内確保という抜群の安定性から、ここでも大崩れはなさそう。

★レーヴドリアン
→直線坂のあるコースでの成績が【1・0・1・3】、直線平坦なコースでの成績が【1・1・1・0】とはっきりしている。京都で走った3戦はすべて上がり最速の脚で馬券圏内に入っているように抜群の適性を示しているだけに、阪神→京都替りの恩恵をもっとも受ける馬と言えるだろう。

【ローテーションで見るオススメ馬】

★ヒルノダムール
→過去10年、前走札幌記念からここに臨んだ馬の成績は【0・1・0・2】。サンプルが少ないので何とも言えないところだが、16番人気2着のファストタテヤマを含め、他の2頭もそれぞれ4着と掲示板を外していない。2戦2勝と得意な京都で巻き返しがあっても。

【血統で見るオススメ馬】

★コスモラピュタ
→過去10年、母父にトニービンを持つ馬の成績は【0・3・0・4】連対率42.9%。ダンスインザダーク産駒の陰に隠れているが、菊花賞に抜群の適性を誇る血統だ。中山2500mでの勝ち鞍がある点はデルタブルースと同じであり、そのときの勝ち時計もデルタブルースのそれを1秒上回るもの。ヤマニンエルブの回避ですんなり行けそうな展開もプラスだ。